「日韓防衛協定」締結を


 韓国政府が10月27日、日韓防衛協定の早期締結に向けて、日本政府との協議を再開すると発表しました。韓国は情報漏洩問題で現在混乱しており、先行きは不透明なのですが、ぜひとも締結を実現すべきです。

 

 検討されているのは、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)です。これは、2国間で軍事情報を提供し合う際に、第三国への漏洩を防ぐために結ぶ協定です。これがなければ軍事情報をやり取りすることはできません。逆に締結されれば、連携をかなり強化することができます。日本はこれまでアメリカ、NATO、フランスとの間ですでに締結しているのですが、北朝鮮問題を考えれば韓国と一刻も早く締結すべきです。

 

 日本の哨戒能力 [1] は世界最高レベルにあります。これに対して韓国の哨戒能力は、不十分であるというのが実情です。2010年には、韓国の哨戒艦「天安」が北朝鮮の潜水艦魚雷によって爆破されるという事件も起きました。韓国の哨戒能力では、北朝鮮の潜水艦を探知できなかったのです。日本から軍事情報が得られれば、そんなことは起こらなかったはずです。

[1] 敵の航空機、艦船、潜水艦などを発見する能力。

 

 日本においても、韓国の情報は極めて重要です。特に韓国には、脱北した元高官やヒューミント(スパイによる諜報活動)による人的情報があります。こうした情報は日本独自では得ることができません。軍事衛星による情報も同様です。

 

 ただし日韓両国には、同協定への苦い思い出があります。両国の努力で2012年にようやく締結にこぎつけたことがあったのですが、署名1時間前に韓国政府が延期を申し入れ、ご破算になってしまったのです。

 

 原因は、韓国側が秘密裏に交渉を行ってきたのですが、締結直前に国民に明かされ、強烈な反発が起きたためでした。それ以来、韓国の野党は同協定に強硬に反対してきました。

 

 ところが最近、最大野党である「共に民主党」(国会では第一党)の幹部が、同協定を推進する立場に立つようになりました。北朝鮮の核ミサイル開発に対するいら立ち、そして「中国に配慮しても何も変わらない」ということに気が付き始めたからでしょう。

 

 日韓が連携できれば、対中国包囲網としての意義も極めて大きいものとなります。