Q. 今、ロシアと中国との関係はどのようなものなのでしょうか?
日本とロシアとの関係が深まることに手放しでは喜べない、ロシアは中国と仲が良くて、間接的に中国にお金が流れていくのでは? などと考えてしまうのですが、どうなのでしょうか?(大学生)
A. 戦略的に考える時に、第一に必要なことは、主要な敵はどこかということです。
現在、自由民主主義陣営にとってのそれは、ロシアではなくて中国です。もちろん中国は、経済的にはBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)、軍事的には上海協力機構等を通して、ロシアを自陣営に引き込もうとしています。
しかし、ロシアと中国が互いに信頼し合っているとは思えません。例えば、ロシアの極東地域には550万人ほどしか住んでいませんが、隣接する中国の地域には1億近い人々が居住していて、ロシアの極東地域に入り込んでくる危険性をプーチン政権はよく知っています。それを食い止めるためにも、日本の力を借りたいとの思惑があります。
では、自由民主主義陣営としては、どうすべきでしょうか?
中国からロシアをいかに離間させるか、中露をいかに分断させるかを模索すべきです。そして中国を孤立化させるということです。
かつて、米ソ冷戦時代にあっては、西側の主要な敵はソ連でした。国際勝共連合創始者・文鮮明総裁は、ワシントンに「国際安全保障協議会」という組織をつくられ、対ソ包囲網をつくるために、当時の中国の軍部まで巻き込んでいかれました。今は、その反対と考えたら良いでしょう。中国包囲網をつくるために、ロシアを巻き込んでいく作戦が必要な時なのです。
国際勝共連合 前会長 太田洪量