北朝鮮の本音と日本の役割


 4月25日は、北朝鮮人民軍創建85年の記念日であった。日米韓は、北朝鮮が核実験やミサイル発射実験等行なうのではと極度の警戒態勢を強いていた。そういう中、北朝鮮は日本海側南東部にある元山一帯で過去最大規模の砲撃訓練を行なった。その訓練には長距離砲など300~400門が投入されたと韓国聨合ニュースは伝えている。

 

 北朝鮮が核やミサイル実験ではなくて砲撃訓練をしたということは、これ以上米国を刺激してはならないと、しかし何もしないで日米韓等の圧力に屈したという姿勢も見せれないという、ギリギリの判断であったのだろう。

 

 北朝鮮は去る4月11日、最高人民会議第13期第5回会議を行った。日本の通常国会にあたるものであるが、19年ぶりに外交委員会を復活することを決めただけで、わずか15分で終わったという。いわば外交委員会を設置するためにわざわざ開催したものであったということである。

 

 委員長には前外務大臣で現党副委員長の李洙ヨン氏が就任した。彼は、金正恩委員長が中学・高校とスイス留学していた間、北朝鮮の大使としてスイスに滞在し、正恩氏の面倒を見ていた、いわば最側近の一人である。その人物を委員長に据えた外交委員会を復活させるということは、外交に力を入れるとのシグナルではないか。では、どこの国との外交をメインに考えているのだろうか。

 米国だと単純に考えることもできるが…。

 

 4月11日から22日までの12日間、北朝鮮は海外メディアの取材を許可した。うち日本取材団は、咸鏡南道の咸興(ハムン)に招待され、そこで19日、数十年前に北朝鮮に渡った日本人妻6名の記者会見に立ち会った。北朝鮮は、最初から綿密にそれを計画し行ったに違いない。

 

 日本人拉致問題が膠着状態にある今、すべてなくなったと公式的に発言しているだけに、その人々を記者会見させるわけにいかない、北朝鮮としての苦肉の策ではないか。こうして考えると、北朝鮮の本音は、日本と先ず外交したいのではないか、そして米国との橋渡しを日本にと考えているのではないか。もしかしたら、2月12日、安倍首相とトランプ大統領の会談中に、ミサイル発射をしたのは、故意に行ったのではないかとの推察もできる。

 

国際勝共連合会長 太田 洪量

 

 

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