北朝鮮の脅威、「新たな段階」とは?


 北朝鮮が3月6日、ほぼ同時に4発の弾道ミサイルを発射しました。約1000km飛行し、日本の排他的経済水域(EEZ)内に3発が着弾したのです。

 

 安倍首相は7日午前、北朝鮮の脅威が「新たな段階」に入ったとの認識を米国トランプ大統領との間で確認し、共有したことを明らかにしました。

 

 「新たな段階」の脅威とは、北朝鮮が在日米軍基地を標的に核攻撃をためらわない姿勢を、今回初めて明確にしたことを意味しています。

 

 北朝鮮はこれまでもミサイルによる挑発行動を行ってきました。しかし、朝鮮中央通信は7日、この度のミサイル発射は、①「在日アメリカ軍基地の攻撃を担当している」部隊が行った訓練であること、さらに②「核弾頭を装填(そうてん)したミサイルで、相手の本拠地を生存不可能なように焦土化する」ことを目指していると発表したのです。 

 

 在日米軍基地を核弾頭搭載のミサイルで攻撃する訓練と明言した内容は、極めて「異例」なものでした。使用されたミサイルはスカッドミサイルの改良型(スカッドER)と見られ、実行した部隊は「戦略軍火星砲兵部隊」です。有事に「日本駐屯米帝侵略軍基地を攻撃する任務を担っている」とされているのです。

 

 3月1日から「米韓合同軍事演習」が行われています。この訓練は毎年行われるものですが、2月12日のミサイル発射と翌日の金正男氏殺害事件を受けて、このたびの演習は史上最大規模になると言われています。北朝鮮が3月6日に行ったミサイル発射は、この合同軍事演習に対する「牽制」であったと見られています。

 

 合同演習は4月まで続けられますが、今後の最大の懸念は、北朝鮮がこの期間にICBM(大陸間弾道弾)の試射を行うのではないかということです。金正恩委員長は1月1日、年頭の辞で「大陸間弾道ミサイル試射準備の最終段階」にあると明言しています。

 

 朝鮮半島の緊張は高まる一方ですが、半島有事を前提とした安保関連法(特に集団的自衛権の限定行使を含む)に基づく万全な態勢づくりを進めていかなければなりません。

 

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