北朝鮮がミサイル発射、背景には安保理決議への強い焦り


 北朝鮮が9月15日朝、日本の上空を通過する弾道ミサイルを発射しました。

 

 ミサイルは北朝鮮からグアム間の3300キロを超える3700キロを飛行し、太平洋上に落下しました。

 

 日本では12道県でJアラートが発令し、政府が緊急避難を呼びかけました。

実際のテレビ画面(NHK、9月15日朝)
実際のテレビ画面(NHK、9月15日朝)

 

 国際勝共連合は、北朝鮮が国連決議に違反し、日米の国民に不安と恐怖を与える挑発行為を行ったことに対して最大限の非難を表明します。

 

 今回のミサイル実験は、9月12日に国連の安全保障理事会で採決された制裁決議への反発を示すものと考えられます。

 

 実際、制裁決議に対して北朝鮮は、「極悪非道な挑発行為の産物」などと断じ、非常任理事国として決議に賛成した日本に対しても、「日本列島の四つの島を核爆弾で海に沈めるべきだ」と異例の批判を展開しました。

 

 しかしこれらの言動は裏を返せば、北朝鮮が厳しく追いつめられている証であると見ることもできます。

 

 これまでの国連による北朝鮮への経済制裁では、主に兵器開発を目的とする経済活動が禁止されていました。

 

 ところが今回は、北朝鮮の輸出品目の第2位を占める繊維製品(衣類)の全面輸出が禁止されました。他にも出稼ぎ労働者の新規雇用の禁止などで、年間約10億ドル(約1090億円)が遮断される見込みです。これは北朝鮮の全輸出額の約3分の1にあたり、大変なダメージとなることは確実です。

 

 さらに今回の採決では、従来は慎重な姿勢を示してきた中国やロシアが、わずか1週間で賛成に回りました。これまでの採決では、アメリカが中露両国の合意を得るのに2、3か月を要していました。異例のスピード採決の背景には、中国の習金平国家主席の強い苛立ちがあると考えられます。北朝鮮の孤立がいよいよ際立ってきたと見られます。

 

 アメリカの本気度も注目すべきです。今回アメリカは安保理の各理事国に対して、極めて強いレベルの制裁案を提示していました。石油の全面輸出禁止や金正恩委員長自身の資産の凍結、そして武力行使も可能な北朝鮮船舶への臨検をも含むものです。今回はこれらの項目は削除もしくは修正されましたが、これまでにない強い制裁案であり、「ゆくゆくは実施する決意がある」というメッセージを送ったと見てよいでしょう。

 

 北朝鮮が強い焦りを感じていることは間違いありません。日本はアメリカをはじめとした国際社会と強い連携を保ちつつ、さらに毅然とした態度で臨むべきです。

 

【関連記事】

北朝鮮が核実験を強行、「EMP攻撃」示唆の衝撃(2017.9.5)

北、「火星12」発射、深刻な脅威に万全な備えを(2017.8.29)