森友書き換え問題、全容解明に取り組め


 学校法人「森友学園」への国有地売却問題をめぐり、財務省が3月12日、公文書の書き換えを認めました。公文書は行政機関の活動の記録であり、偽造は民主主義の根幹を揺るがす重大な犯罪です。安倍政権は事態の全容解明と国民の信頼回復に向けて、全力をあげて取り組むべきです。

 

 書き換えが行われた箇所は全体で200箇所以上に及びます。佐川宣寿理財局長(当時)が国会で森友学園との価格交渉を否定したため、つじつまを合わせるために理財局が指示したとの見方もできますが、事実の解明が待たれます。具体的には、近畿財務局が森友学園の籠池泰典理事長(当時)と「価格交渉した」と受け止められかねない部分が書き換えられました。

 

 交渉の記録はもともとA4紙3枚にわたる詳細なものでしたが、書き換え後はA4紙半分ほどに圧縮されました。その後、他の文書も整合性をもたせるために次々と書き換えを行い、最終的には14文書が書き換えられたということです。

 

 3月7日に財務省職員が自殺したのも、この書き換えに関わっていたためと見られています。

 

 財務省は国家の予算を扱い、「役所の中の役所」「省庁の中の省庁」ともいわれる重要な行政機関です。その財務省で組織ぐるみの偽造が行われ、国会の調査に対しては「書き換えの事実は見つからなかった」と虚偽の報告を繰り返していました。これは「法の支配」や「三権分立」といった国家の基本原則を揺るがしかねない深刻な事件といえます。佐川氏はすでに辞任しており、一般人ではありますが、証人喚問によって徹底した問題解明がなされるべきでしょう。

 

 ところで立憲民主党をはじめとした野党各党は、この問題で改めて安倍首相や昭恵夫人の関与を追及する方針です。しかし削除された文言を見れば、土地の売却に政治家による不当な関与がなかったことは明白です。野党の追及は完全に的外れであり、重大な事件に便乗したイメージ戦略に他なりません。国会の貴重な時間を浪費することでもあり、やめるべきです。

 

 何より重要なのは、財務省の組織的刷新です。財務省が不当な情報操作を行えば、国家の経済政策が誤った方向に進んでしまいます。何が問題であり、何が正されるべきなのか。国会には、無意味なスキャンダラス的追求ではなく、国家の成長と発展に資する真摯な議論を期待します。