5万人規模の労組、民進支持から自民支持へ


 民進党が大きな支持団体を失いました。住友化学や積水化学など、化学産業における20の企業の労働組合(労組)によって作られる、「全国化学労働組合総連合」(化学総連)です。組合員5万人弱という大所帯ですから、かなりの痛手です。もしこれが他の労組にも飛び火するようなら、壊滅的なダメージとなるのではないでしょうか。

 

 化学総連は昨年5月、民進党最大の支持母体である連合を離脱しました。そして今年の2月13日、化学総連の幹部が自民党本部を訪れ、「次の衆院選選挙では自民党を支援する」と伝えました。同じ産業の労働者が組織する労組を「産別」と呼びますが、「産別」の離脱、そして転向は、連合にとって初めてのケースです。

 

 背景には、民進党が共産党と選挙協力を進めたことに対する不満があります。民進党は一昨年から(前身の民主党時代から)、共産党との選挙協力を始めました。支持率の低下を止めるため、共産党の集票力を利用しようと考えたのです [1]。

[1] 昨年12月31日時点で、全国の市区町村の地方議員の数は、公明党が最も多く2721人。次いで共産党の2566人(無所属を除く)。

 

 しかし民進党と共産党は、全く異なる思想、目的、政策をもつ政党です。手を組むのは野合に他なりません。しかもいったん共産党の協力を仰げば、それを餌に次第に侵食されていくのは明らかです。民進党の前原誠司衆議院議員がかつて、「(共産党は)シロアリみたいなものだ。ここと協力をしたら土台が崩れる」と語ったことがありますが、全くその通りです。

 

 共産党は、綱領で社会主義、共産主義の実現を明記しています。また、日米同盟破棄や自衛隊の段階的解消を主張しています。これに対して、多くの労組の要求は労働環境の改善であり、決して共産主義社会の到来ではありません。日本の安全保障を失うことも望んでいません。目の前の票欲しさに共産党と組むようでは、労組が呆れるのも無理はないでしょう。

 

 民進党が国民の支持を得たいのであれば、共産党と連携するのではなく、国家のためになる政策を提示すべきです。民進党はこのことをきっかけに、本当の意味で政権交代を担いうる野党を目指してもらいたいと思います。