潮の流れが変化し始めた韓国


 安倍首相は1月19日、韓国・釜山総領事館前に慰安婦像を設置した対抗措置として、一時帰国させた長嶺駐韓日本大使の帰任を当面見送ることを決定した。韓国外務省は、京畿道地方議員団が竹島に慰安婦像を設置する計画に対して、「望ましくない」との見解を示したが、釜山総領事館前の慰安婦像については動きが見られない。

 

 日本政府が強気に出る背景には、一昨年12月の合意に、両国外相共同声明で「最終的かつ不可逆な解決」との文言を入れたこともあるが、それだけではない。

 

 1961年に採択された「外交関係に関するウィーン条約」に抵触しているのである。同条約22条第2項には「接受国は……公館の安寧の妨害又は公館の威厳の侵害を防止するため適当なすべての措置を執る特別の責務を有する」と記されている。この条約は外交関係に関する国際慣習法をまとめたものであり、基本的な多国間条約である。これを遵守しないとなると韓国の品格が問われる。

 

 韓国のソウル中央地裁は、朴槿恵大統領と崔順実被告の疑惑を捜査する「特別検査官」(特検)が請求した、李在鎔(イジェヨン)サムスン電子副会長の逮捕状発行を証拠不十分として請求を棄却した。特検としては大変なつまずきで、捜査方針をどうするかの岐路に立たされている。親北勢力に扇動された国民の声をバックに、大統領の犯罪を証拠不十分のまま立証しようとしてきた無理が効かなくなったということである。これは特検だけの問題ではなく、朴大統領に対する一方的で感情的な糾弾の流れが変わり始めたことを意味する。

 

 世界は米国トランプ大統領の就任、英国のEU離脱と激変が予想され、東アジアでは中国の南シナ海・東シナ海・日本海侵出および北朝鮮の核・ミサイル開発と、危険要素が拡大している。

 

 こういう時代にあって肝要なことは、外交的に孤立しないこと、特に、どういう国々と同盟関係を結んでいくかということであろう。その意味から言って、韓国は、米国との同盟関係を最重要視している。と言うことは中国とは厳しい。ならば日本との同盟関係は維持していかねばならないだろう。そのためにも、この潮の流れの変わり目を捉えて、まず釜山総領事館前の慰安婦像は撤去すべきである。

 

国際勝共連合会長 太田洪量

 

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