中国空母、太平洋に初進出


 中国初の空母である「遼寧」が12月26日、初めて沖縄本島と宮古島の間(宮古海峡)を通って太平洋へ進出しました。この事件は、中国海軍の実力が新たな段階に入ったことを意味します。

 

 空母とは、滑走路となる飛行甲板のある艦船のことです。戦闘機を離発着させられるだけでなく、戦闘機の整備、給油、武器の補給など、航空戦に必要なあらゆる装備を供えており、「動く前線基地」と呼ばれることもあります。攻撃力を遠方に展開するのが目的であるため、「専守防衛」(※)を採用する日本の自衛隊は保有していません。 

※ 専守防衛は、先制攻撃を行わないという自衛隊の軍事戦略(「『普通の国』になること」を参照)。

 

 「遼寧」は、旧ソ連の空母「ヴァリャーグ」(未完成)を、中国が「海上カジノにする」と偽って購入し、その後完成させたものです。当初は技術力の不足から就航不可能と言われ、「ソ連時代の鉄クズ」「張り子の虎」などと酷評されましたが、2012年に就役しました。その後、能力を着実にあげています。

 

 今回は、「遼寧」が第一列島線を初めて越境しました。西太平洋で遠洋訓練を行うことで、対中強硬姿勢を見せるアメリカのトランプ新政権を牽制する狙いがあると考えられます。

 

 もちろん「遼寧」が完成しても、今のところ「世界最強」と言われるアメリカの第七艦隊(神奈川県横浜市を母港とする)の実力には遠く及びません。空母の運用には豊富な経験と高度なノウハウが必要であり、アメリカが過剰に恐れることはないはずです。

 

 空母のない日本にとっては、もし日米同盟が不安定化するようなことがあれば、一大事になります。日本は、あくまでも米国との同盟を維持していかねばなりません。そういう意味で、安倍総理の真珠湾訪問は、まさに時宜を得た最高の戦略的外交政策と言えるでしょう。 

 

 

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