安倍、トランプ会談 2月10日に決定


 懸案であった安倍晋三総理と米国トランプ大統領との初の首脳会談が、2月10日に決定した。話し合うべき課題は多くあるだろうが、最大のポイントは以下にあると考える。

 

 産経新聞(1月29日付)に、中国が世界貿易機関(WTO)に加盟した2001年以降の、米国の対中貿易赤字と中国の軍事支出が関連しているとの記事が掲載されていた。

 

 現在の中国の路線は、鄧小平が敷いたものである。彼はソ連の失敗を分析し、その主原因を2点に絞った。第1はマルクス経済学、即ち労働価値説&剰余価値説に基づいて経済システムをつくったこと。2点目は、米国を中心とした西側と断絶し敵対したことである。

 

 鄧小平は、「社会主義市場経済」の名のもと、マルクス経済学を捨て、資本主義市場経済を採用した。自由民主主義圏との間で経済的に壁がなくなり、世界のグローバル化が進んだ。その結果が、産経新聞の記事内容である。

 

 いわば、敵である米国支配の世界の懐の中に入り込み、敵の(米国の)栄養を吸収しながら、肥え太ってきたのだ。体内に蝕む癌細胞になったのであり、理論的には唯物弁証法・毛沢東の矛盾論の応用である。ソ連は、力もないのに、いきなり対米関係を「敵対矛盾」にもっていって失敗した。中国は、先ず「内部矛盾」として米国の傘の元に入り、力をつけてから「敵対矛盾」になる。毛沢東の中国革命戦略の世界バージョンでもある。

 

 マイケル・ピルズベリーが指摘したように、米国は40年もこれに騙されてきた。共産主義者にとって、マルクス経済学を放棄することはそう難しくない。マルクスは、先ず革命ありきで唯物史観、次にそれを哲学的に正当化するため弁証法的唯物論、最後に経済的に合理化するため資本論を作り上げたからである。

 

 社会主義市場経済とは、政治的には共産党一党独裁を断固維持することである。中国共産党は、労働価値説は捨てたが、唯物史観と弁証法的唯物論は捨てていない。しかも中国共産党のやり方は、ソ連以上に経済・政治・文化・軍事の総合戦略で来る。安倍首相に期待することは、その点をトランプ大統領によく説明し理解してもらうことであろう。

 

国際勝共連合会長 太田洪量