太田会長の演説内容(全文)


 11月3日(木・祝)、東京・渋谷駅前で、太田洪量 国際勝共連合会長が街頭演説を行いました(約16分)。

 以下、その全文を書き起こしたものです(約4,000字)。

 

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 今日は11月3日、文化の日であります。

 この文化の日というのは、今までの弁士も述べてきましたけれども、日本国憲法発布の記念日であります。しかし、本を正しますと、明治天皇の誕生日であります。かつては「明治節」と呼んでいた、明治天皇の誕生日が今日の日であります。

 

 日本は、明治の御代(みよ)になりまして、欧米の科学技術、色々な文化等々を入れて参りまして、「和魂洋才」と、アジアの国、東洋の国においては、先駆けて近代化を成功した国が日本であります。その明治天皇から始まった日本の近代化であるということであります。

 

安倍総理の「70年談話」 

 昨年(2015年)は、日本が戦後70周年ということで、安倍総理の「70年談話」が発表されました。日本は、明治の御代に、日清、日露戦争を勝利して参りました。安倍総理の70年談話でも触れておりましたように、「残念ながら、満州事変以降は、侵略的な色彩が強くなってきた。そして第二次大戦に突入していったんだ」と、こういう談話の内容でありました。

 

 確かに日本は、満州事変ですね、歴史をご存知の方はよく知っておられるかと思いますけど、柳条湖事件というものがありました。日本の関東軍が満州鉄道を爆破して、それを中国の人がやったということで、関東軍が満州一帯を押さえていった。あるいは、張作霖爆殺事件です。河本大作という人がやったんですけども、いわば満州国を日本の属国のようなかたちで作り上げていった。その発端となったのが満州事変であります。

 

 このことを国際連盟のリットン調査団が調査した、「満州帝国はどうなんだ」と。結論としては、「日本がでっち上げた国である」ということが国際連盟で報告され、それが認められて、当時の松岡洋右外務大臣は、国際連盟の脱退を決定して席を出て来たのであります。その時から日本は残念ながら、第二次大戦の道を走って来た。

 

戦前の日本と現在の中国 

 私は、これ(戦前の日本)と極めて同じような状況が、今の中国に言えるのではないか。今まで弁士も述べておりましたけども、南シナ海における岩礁を、特にベトナム、フィリピンと領海権の問題で争っている訳なんですけども、その岩礁を中国は、自分の領海の範囲内ということで埋め立てて軍事基地を作ってきている。

 

 それに対して、フィリピンの前のアキノ大統領が、オランダのハーグにある国際仲裁裁判所にそれを訴えた訳ですね。そこから判決が出た。その判決は「中国側の主張は一切認められない」と。「中国側が言っている領海というのは、全く認められない、違法な主張である」という結論だった訳ですね。

 

 それに対して、中国は何と言ったのでしょうか?

 「オランダ・ハーグの国際仲裁裁判所の判決は、一枚の紙切れに過ぎない」と、こう言ったじゃないですか。私はこれを聞いた時、中国も危ない… 国際的な公の機関の結論に対して、それを「一枚の紙切れだ」と。戦前の日本の、あの戦争に走って来た道とそっくりだな。中国は下手すると暴走する、危険であると、感じたのであります。

 

 中国は言うまでもなく共産主義の国家であります。共産主義国家というのは、その思想に基づいて徹底して侵略していく、そういうような国であるということを我々は知っておかなければいけない。

 

 しかし、先ほどの渡辺弁士も言っておりましたように、中国経済は落ち込んでひどい状態になって、危うい、暴走しやすい、中国は危険を冒しやすい。この中国の暴走に歯止めをキチッと打って、そして、中国に対する包囲網を作り上げて、中国共産党一党独裁という、今のアジアにおいて、世界において、最も危険なこの体制を、願わくばソフトランディングさせなければいけないというのが、我々の一貫した主張であります。そのために中国の包囲網を作らなければいけない。経済的にも軍事的にも作らなければいけないということが、今の日本、アジア、世界の平和にとって最も急務な、最も重要なことであるということを我々は訴えてきたのであります。

 

韓国における問題

 そこにおいて問題が何かと言うと、韓半島であった訳なのです。特に韓国でありました。韓国の今問題となっております朴槿恵大統領は、昨年の9月3日、中国天安門前広場の中国の軍事パレードを謁見した訳ですね。「韓国はそこまで中国とくっ付いているのか」ということを我々は目の当たりにして、非常に危惧した訳ですね。

 

 韓国という国は、日本は島国で海に守られておりますけれども、(韓国は)半島国家であります。だから大陸と常に接しています。中国と常に接している。したがって、韓国において常に問題となっているのは、「事大主義」という主義であります。いわゆる中国の朝貢国、あるいは基本的には中国ベッタリという立場をとる、この事大主義が最大の問題なんですね。

 

 ところが今も中国は、共産主義の国である。しかし韓国は、経済的には相当結びついている。だから政治的にも事大主義という立場をとってきたんですけれども、しかし、昨年の暮れ当たりから、韓国の立場、外交的な姿勢が、大きく変化してきた訳ですね。

 

THAADの導入決定

 その発端となりましたのが、日韓両国政府における慰安婦問題の合意であります。そして今年の初めにですね、北朝鮮が「水爆実験」と言って実験をした。それからミサイル実験を立て続けにやってきた。それでついに朴槿恵大統領は、先ほど来、弁士が言っておりました「THAAD(サード)」、高高度地域ミサイルというアメリカが持っている最も優れたTHAADミサイルの導入を、朴槿恵大統領が決定した訳ですね。これはもう大変なことであります。

 

 そして最終的には今年の7月8日、THAAD導入がハッキリと決まりました。ということは何かと言うと、韓国は北朝鮮の核開発、あるいはミサイル開発を中国が抑えてくれると思ってきたんだけれども、「抑えてくれないじゃないか」と。「中国はもう頼りにならない。アメリカなんだ」と。「アメリカということは日本なんだ」ということなんですね。だから韓国が事大主義の呪縛から離れてきた、これは大変なことなんですね。

 

日韓中の歴史的な事件

 そして、北朝鮮も問題なんですけれども、私は、日韓関係においてもよく言われてきたのは、歴史問題、歴史認識ですね。我々(日本人)ももちろん、過去の歴史に非常にこだわる面はある訳ですけど、おそらく韓国民族はもっとこだわっている訳ですね。それで考えますと、中国と韓国と日本の関係において、ずっと昔のことですけども、象徴的な事件があった訳ですね。

 

 かつて韓半島は、北の方が高句麗という巨大な軍事国家がありました。東海岸の方は新羅という国がありました。西海岸は百済という国がありました。日本の大和朝廷は、一貫して百済と同じ外交路線、あるいは百済と同盟関係を結んできた訳なんですね。

 

 ところが、新羅は、中国の唐という国が興りました。そして大国になった。この唐と組みました。そして百済を滅ぼし、そして高句麗を滅ぼし、韓半島を初めて統一したと言われている訳なんですけれども、その時、日本は、大和朝廷は、当時の中大兄皇子、後の天智天皇は、「百済を助けなければいけない、百済を復興するんだ」と、663年に白村江の戦い、合計3次にわたって約5万の大軍を送った訳ですね。

 

 このように、韓半島が二つに分かれて、一つの国は中国と組み、一つの国は日本と組む。その時は、唐と組んだ新羅が勝って、韓半島を統一していったということなんですけども、ところがその後、新羅は苦しんだんですね。何で苦しんだかというと、中国の唐の軍隊が、韓半島から退かない。韓半島全体を、唐は何とか支配しようとした。その後も退かない。それで新羅は、唐の軍隊を追い出すのに非常に何十年も苦労した、その思い出がある訳ですね。これは北朝鮮だって韓国の人だってみんな知っているに違いありません。

 

 中国の脅威と韓国の外交路線

 だから中国という歴史的な、しかも今の共産主義国家でありますから、そういう状況を考えてみますと、私は、今という時、特に日本とアジアと世界の平和、安全、今テロの脅威もあるし、あるいはこの渋谷だっていつどういうことが起こるか分からない。一番我々がまず手を打たなければならないことは、大量殺りく兵器、いわゆる核兵器、しかもミサイルを持っているという巨大な軍事力、これに対する予防線を、まず最初に張らなければいけない。それが中国なんだということなんですね。

 

 韓国が北朝鮮ゆえに、事大主義を捨てて、アメリカ・日本と組もうとしている。もちろん今の朴槿恵大統領の色々な問題が起きております。しかしながら、韓国国内における内部政治の問題と、特に朴槿恵政権が、昨年12月からとってきた外交路線ですね、外交路線は、正しい外交路線をとってきている。これを我々はハッキリと知らなければいけない。だからその正しい外交路線にそって、韓国側が今度、「日韓軍事情報包括保護協定を結びたい、協議をしたい」と言ってきた。これはまさしく“天の時”であります。

 

「日韓防衛協定」締結を 

 今日本は、全力を挙げて、朴槿恵政権の色々な問題があっても、外交路線は正しいんだと。日韓の慰安婦問題も合意に達したんだから、これは粛々と進めていかなければいけない。日本もそうだし、韓国政府もそうなんだと。そして日韓軍事情報包括保護協定をいかに早く締結していくか、これが今の日本、アジア、世界における最大の、急務の課題であるということを申し上げまして、本日の私の渋谷における街頭演説を終わりたいと思います。

 

 私ども国際勝共連合は、1968年、共産主義と闘う、思想的に、また具体的にも闘う。今までやって参りました。ソ連は崩壊したけども、今は中国という巨大な共産主義の敵に対して闘っている。我々「国際」と付いているのは、その意味であります。ぜひ皆様方も今の内外情勢をよく見抜いて頂きまして、共産主義の脅威に共に闘って頂きたいとお願いしまして、私の演説を終えさえて頂きたいと思います。ご清聴有難うございました。